大山恵みの里公社

大山の恵まれた風土の下に産まれる、作り手のこだわりと温もりがぎゅっと詰まった安心・安全の地元産 。 大山恵みの里公社は地元の思いと愛情を繋ぎます。

【二十世紀梨】 井上 勇辰さん

井上さん

鳥取のグルメな観光大使
ジューシーな秋味は鳥取県PRに一役

ジューシーな秋味 梨最近流行りの県民性を取り上げるテレビ番組。
よくその地域の特色などが紹介されますが・・・。
ではここで県外の方に質問。
みなさん「鳥取のイメージ」と聞かれて何と答えますか?
たぶん、カニ、砂丘と並ぶ多い回答の一つに下記の名前が出てくるはずです。

「梨」
そう、ここ鳥取県は、梨の中でも青梨の代表格「二十世紀梨」の一大産地。
収穫量は全国一位で、出荷となる9月には全国ニュースにもなるほどご当地の名産として鳥取県の知名度UPに貢献してきました。

実はココ大山町も二十世紀梨の一大産地。
県中部の倉吉、東郷などにも収穫量では及ばないものの、品質は負けず劣らず。それを証明するかのように2007年度は県下No.1の評価を得ることもできたのです。

一農家としてこだわりの梨づくり
その一方で大山の梨の未来を担う重要な使命も

農家としてこだわりの梨づくり今回紹介する井上さんは、200名近くの生産者のなか、鳥取県西部農業協同組合 大山選果場で指導部長も務めるいわば梨農家の屋台骨を支える存在。
日々、梨農家のとりまとめを請け負うほか、大山の梨の品質を上げるための研究、開発にも熱心で、自らの梨栽培だけでなく、大山ブランドを背負って立つキーマンの一人でもあります。

現在43歳。梨農家では若手に入るとはいえ、キャリアは20年以上。
しかも果樹試験場で4年間、研究者として働くなど梨の知識には非常に精通しており、その経験を生かした梨作りでは他の生産者からも一目置かれる存在に。
そこから生まれた井上さんならではの梨の栽培方法とは・・・。



空気や水の流れを作ること
梨作りに不可欠な緻密な“土づくり”

梨作りに不可欠な緻密な“土づくり 井上さんが梨作りで一番に気を使うのが「土」だと言います。
「水はけの悪いところにいい素材はできない」という信念から、土の中に稲わらや山草などを入れ、そこから発生する有機物によって団粒構造が進み、土に小さな隙間が増え、空気や水を保持できるように工夫。
井上さんは極力化成肥料を使わず、微生物など梨に有益なミネラル、ホルモンを使うことで土壌を団粒化。それがミネラルバランスのとれたフカフカの土を生み、しっかりと身の張った、濃厚な梨を作りだす一番の要因となっています。

井上さんの農場は完全な家族経営。
「二十世紀」のほか、「豊水(ほうすい)」、「秋栄(あきばえ)」なども栽培。近年は鳥取限定品種でもある「新甘泉(しんかんせん)」といった新しい品種の栽培にも力を入れ始めており、周辺の農家にも刺激を与え、地域全体の活性化にも貢献しているのです。
ただこうした知識、そして技術力を持つ井上さんを周囲が放っておくはずもなく、今や大山町の梨の品質を守るための指導部長となり、全体のボトムアップのため日々奔走されることに。

選果場で働く井上さんには強いリーダーシップが垣間見れば、笑顔で雑談に興じるやさしい一面も。
また指導は言葉だけでなく、自ら手本をみせ選果場で働く女性にわかりやすく説明。
スタッフからの人望も熱く、全体の士気も上がりつつある今、井上さんにかかる期待は大きいですね

梨を作り、出荷するだけが仕事じゃない
指導部長に就き初めてわかる統一の難しさ、悪しき慣習

出荷するだけが仕事じゃないただ問題も山積みです。
梨の出荷は、春に花が咲いてから135日が目安。
その時期がちょうど8月末にあたるのですが、二十世紀梨の出荷は短期集中。ここからわずか15日ほどの間に、大山全体で500万果の二十世紀梨が選果場に集まり、全国に向け発送されるという忙しさ。
本来、1日出荷を遅らせれば梨の玉が5g大きくなるとも言われていて、箱詰めでいえば1日遅らせると玉が大きくなる分約2500個増えるとも。
もちろん逆も同じく、1日早ければ5g小さくなるため、単純に考えれば「じゃあできるだけ出荷を遅らせればいい」と考えてしまいますが、正直なところコレが難しい。
生産者の足並みがなかなか揃っていないというのが今の実状のようなのです。

二十世紀梨は今や鳥取のTOPブランド。
市場からのニーズも非常に高く、できるだけ早く欲しいという声に反応し、フライングをする農家が出るのが主な要因。
135日という基準を守れず1農家が133日で出荷してしまえばそれだけ実が小さくなり、多少品質にも影響するうえ、大山町の梨という全体の統率が取れなくなってしまう。

実際、県下No.1の評価を受けた2007年は、足並みがそろい137日で出荷できたことが大きな要因でもあったと井上さんは話します。
要は生産者の栽培に対するこだわりはもちろん、連携・モラルというものについても地域の底上げとして問われているのかもしれません。

いずれにせよ、ものは間違いなく一級品。
そうした意識が生産者に備わった時、大山の梨は全国でも指折りのTOPブランドになっているに違いありません。
そのためには、地域という枠組みだけでなく、松葉ガニのような県全体としての出荷日の規制、また仕入先の統一した規定などが必要なのかもしれませんね。

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