大山恵みの里公社

大山の恵まれた風土の下に産まれる、作り手のこだわりと温もりがぎゅっと詰まった安心・安全の地元産 。 大山恵みの里公社は地元の思いと愛情を繋ぎます。

【自然薯】二宮 聖貴さん

取材日:2015年11月

自然薯 二宮さん

強い粘りと香ばしい香りが持ち味
町の特産物入りを目指すニューフェース

自然薯

そもそも自然薯って何?
手がかかるぶん味わい豊かな山の幸。

皆さん、自然薯(じねんじょ)って知っていますか?「山芋長芋と何が違うの?」と区別ができない人も多いかもしれません。簡単に整理すると、日本原産の自然薯、中国原産の長芋、南方原産の大和芋などを総称して「山芋」と呼びます。自然薯の大きな特徴は皮ごとすれること、また他の山芋に比べて粘りも香りも強いことです。そんな自然薯を大山の黒ぼくで生産しているのが二宮聖貴さん。収穫は11月中旬から3月くらいまで。ちょうど収穫が始まったばかりの11月、中山にある二宮さんの畑にお邪魔しました。

「作業は基本的に全部手作業です。機械を使うのは春先に畝を作ったりするときくらいですね。さらに、安心安全なものを作るため農薬は使っていません。栽培はとにかく手間がかかりますし重労働なんですよ」。そう言いながら二宮さんが収穫する様子を間近で見させてもらいましたが、一つひとつ丁寧に掘りだし、子どもを抱きかかえるかのように優しく扱っている姿が印象的でした。おすすめの調理法を聞いてみると…。

「やっぱりまずは、すりおろしてとろろにして欲しいですね。出汁や卵でのばしてご飯にかけて食べたら最高です」。また他にも、絶品の食べ方があると言います。「すりおろしたものを海苔に挟んで素揚げする磯部揚げもとっても美味しいですよ」。山の幸と海の幸が同時に堪能できる磯部揚げ、試してみる価値がありそうです。

自然薯づくりのきっかけは奥様の一言。
Uターンで戻った大山町は最適な地だった。

自然薯収穫
元々、鳥取で生まれ育った二宮さんは18歳のときに大阪へ。車の整備士や営業の仕事をしていたと言います。大阪で結婚し子どもを授かり、休暇中に一家で鳥取に帰省したとき、今のお仕事につながる出来事がありました。「妻がそこら辺の山で自生していた自然薯を食べてみたい!と言ったんです。驚きましたね。僕は自然薯の存在は知っていたのですが、それまで食べたことがありませんでした」。収穫しおそるおそる口にすると、なんとも美味。二宮さんの脳裏に自然薯が刻まれた瞬間でした。

2011年。在阪生活が10年になるのを一区切りに、二宮さんは鳥取にUターンで帰ってきました。当初は実家の芝生農家を手伝っていましたが、「何か新しく始めたい」という思いが募ります。そのときに浮かんだのが自然薯でした。「決めたのはいいものの、自然薯の栽培法は全国的にも情報が少ないんです。ただ県内にも日南町で育てているところがあると知ってすぐ飛んで行き、色々学ばせていただきました」。とは言え、日南町と大山町の環境の違いは想像以上に大きくて大変だったと言います。一番は風。「ここら辺は風が強いので、何度も棚が倒されました。本当に毎日失敗の連続でした」。

反面、大山町ならではのメリットも。「標高200メートルくらいで育てているのですが、ここくらいの寒暖の差は自然薯を美味しくする鍵だったんです。さらに、土は最高です。黒ぼくは水分を保ちながら、同時に水はけもいい。最初は大変でしたが、絶対にいいものができるという確信が持てました」。


組合を作って仲間たちと新たな文化を。
将来は町を、県を代表する特産物へ!

二宮さんと自然薯
二宮さんからいただいた名刺を見ると、「大山山麓自然薯組合」の文字が。これについても聞いてみました。「畑で右往左往しているうちに、農家仲間ができてきたんです。そのうち“自然薯の作り方を教えて”なんて言われ、情報交換するようになりました。だったら組合を作ろうか、と始めました」。現在、組合員は5名。畑をシェアしながら全員が一丸となって、この地に生まれたばかりの自然薯づくりの文化を築いています。

二宮さんは言います。「まだ本当に始めたばかりなので、色々なことが確立されていないんです。手探りの部分が多い。でも、だからこそ楽しい。毎年新しいことにチャレンジできる点もやりがいを感じます」。前向きに自然薯づくりに取り組む二宮さんには、既に多くのファンがいるそう。「一度召し上がった方がリピーターになることが多いですね。シーズンが近付くと“まだ買えない?”という連絡をよくいただきます」。

食通の方にひっぱりだこの二宮さんに目標を聞いてみると…。「今後、畑の面積も広げていって、自然薯を大山町の新たな特産物にしたいと思っています。皆さん、一度は食べてみてください。きっと美味しさに驚かれると思いますよ」。二宮さんの行動力があれば、大山町の特産物の中に自然薯が加わる日も遠くない。そう思えた晩秋の午後でした。


公式HP(外部リンク) 自然薯のだいせん二宮農園
ページのトップへ