大山恵みの里公社

大山の恵まれた風土の下に産まれる、作り手のこだわりと温もりがぎゅっと詰まった安心・安全の地元産 。 大山恵みの里公社は地元の思いと愛情を繋ぎます。

【大豆】 谷 清美さん

谷さん

砂糖入れた? そう勘違いされるほどの甘み
まさかの言葉は、“有機”の印

谷さんの農場 谷さんの農場は、実に見晴らしがいいポイント。
どこまでも続く稲穂の波の中、スラリと建つ真っ白な風車が悠然と旋回し、そのバックには青い日本海という最高のロケーション。
谷さん自慢の有機米や地大豆は、こんな素晴らしい景色の中ですくすくと育っています。

“すくすく”とはいっても、有機栽培は一筋縄ではいきません。農薬や化学肥料を制限されるだけに、天候や気温の変化、病気や害虫などさまざまな問題が発生し、収穫率は6〜7割に落ちます。しかし谷さんは、「効率だけにとらわれていては有機栽培はできません。自然の力にあらがわず、逆に利用するんです」とそのコツを語ります。


マイナスではなく、すべてはプラス思考で
自然とは仲の良い友達に・・・

その“コツ”とは? 
まず第一に大切なのが、土づくり
近隣の畜産農家に協力を依頼し、有機米のもみ殻と牛糞を物々交換。もらい受けた牛糞を大山の黒ぼくにしっかりとすき込むのです。
一方、畜産農家に渡った有機米のもみ殻は牛のえさに。それがまた牛糞という肥料になって返ってくるという、リサイクルな仕組み。
雑草もこれまた有効利用、細かく砕いて緑肥として使います。
高台を吹き抜ける風は一見すると何の役にも立たないようですが、それすらも有機栽培には大事な味方。風のおかげで、虫がつきにくくなるというのです。
自然現象のマイナスをプラスに変え、臨機応変に対処していく。「そうこうしているうちに土が有機に馴染んでくるんですよ」と、谷さんはいたずらっぽい顔で笑います。

もちろん、そう言いつつもそうした生産スタイルには苦労が耐えません。
そう雑草との戦い。
生えてきては抜きの繰り返しで、真っ黒に日焼けした顔色はその努力、仕事量を物語ることに。そうしたこともさらっと言えてしまうところに谷さんの有機に対する情熱を感じることができますね。

こうして出来上がった米や地大豆は、見かけは普通のものと変わりありません。しかし、食べたときの違いは歴然。谷さんは町内の保育園に有機米を納入していますが、幼児でも味の違いがはっきり分かるそうです。また、こんな仰天エピソードも。大阪に住む谷さんの娘さんが有機米を友人にプレゼントしたところ、「米に砂糖を振ったんじゃないの?」という驚きの感想が返ってきたとか。有機栽培は、それほどにまでに穀物の甘みを強くするのです。

有機栽培で地域を活性化したい!
未来を見据え、フロンティア精神で挑む

有機栽培 高校卒業後、10年間会社勤め。その後、父から譲り受けた土地で、稲作と野菜の種子生産を主にして就農。農業を続けるうち、次第に休耕田が増え、高齢化や後継者不足によって荒れていく農地を目にしてきました。このままでは未来がないと感じた谷さんは、「環境に負荷のない有機栽培でこの地域の農業を活性化し、次世代にまでつなげていこう。そのパイオニアに自らがならなければ」と決意し、有機中心の農業に切り換えました。今まで以上に手間がかかる上、収穫が思うように上がらない有機栽培は、苦労の連続でした。でも、大型機械の導入や、栽培方法の研究を積み重ねて改善してきました。そんな努力の甲斐あって、2004年に有機JAS認証、そして2007年には、土づくり・化学肥料低減・化学農薬低減の3つの技術に取り組む農業者に与えられる「エコファーマー」の認証を受けることとなりました。

また、国産大豆の原種がなくなってしまうのではという危機感も感じており、大山に昔からあった大豆「大山もち緑」に注目。きれいなライトグリーンの粒で、イソフラボンが豊富、味が濃厚な大豆です。豆腐にしてもその特徴は変わらず、噛めば噛むほど甘くて、もっちりとしたコシのある豆腐が出来上がるとか。良質な栄養や味を持つにもかかわらず、あぜで自家用に栽培するだけになっていた「大山もち緑」を、なんとか地域ブランド品として復活させたいと願い、種子生産で培った技術を駆使して積極的な生産に取り組んでいます。

エネルギッシュに活躍する谷さんですが、どの取り組みも決してもうけ主義でやっているわけではありませんし、自己中心的な独りよがりでもありません。職人気質な性格から反発を受けることもあるそうですが、助けを求める同業者がいればすぐさま手伝いに駆け付けるのです。そんな熱い行動のベースになっているのは、「地域の農業を元気にすること」と「次世代の育成」を願う気持ち。そのために、有機栽培をもっと広めたいと考えています。未来のビジョンを胸に先陣を切って走り続ける谷さんから、今後も目が離せません。
ページのトップへ