大山恵みの里公社

大山の恵まれた風土の下に産まれる、作り手のこだわりと温もりがぎゅっと詰まった安心・安全の地元産 。 大山恵みの里公社は地元の思いと愛情を繋ぎます。

【リンゴ】 冨山 哲明さん

リンゴ農園

紅葉に負けない、秋の美味しい“赤”
“もぎたて”で楽しむジューシーな甘さって・・・

“秋の大山町”。
この季節の風景では、山麓を艶やかに染め上げる「紅葉」を思い浮かべますが、グルメな話題では、紅葉と同じく、真っ赤な肌がおいしそうな「大山高原リンゴ」がまさに旬。
そちらをもぎたてにて満喫。味覚狩りを楽しめるのが、広さ約6ヘクタールの「神田りんご園」で、標高約300m、すっかり大山の名物となった白い風車群と紺碧の日本海を見渡せる高台にあり、木の高さが低くく良質の実がなる「わい性リンゴ」の農園としては西日本最大級。子どもの目線ほどの高さにリンゴが実っていて、楽にもぎ取れるとあって、収穫シーズンの8月下旬〜11月下旬は秋の味覚を楽しみたい家族連れなどで大賑わいのスポットとしてすっかりその地位を確立しています。

冨山さん 今回主役の冨山さんの農園は、神田に5軒あるリンゴ農家のうちの1つ。
シーズントップバッターの「つがる」に始まり、ひときわ深い赤色に染まる「秋映(あきばえ)」、蜜を多く含んだ「ひめかみ」、「早生ふじ」や「ジョナゴールド」、晩秋の「ふじ」、黄色い「王林」などなど、約3カ月間の収穫シーズンを補う5品種をそろえ、85アール(※神田りんご組合全体では約5町7反)という広さの中で栽培しています。
普段は人当たりよく、ほんわかとした雰囲気の冨山さんですが、リンゴを見つめるときの表情は真剣そのもの。1本1本の木、1個1個の果実を見逃すことなく、鋭い視線を送ります。
それもそのはず、神田の生産者の中では一番若いのですが、キャリアは20年以上という大ベテランで、しかも、日々リンゴの研究に精を出す、いわば“リンゴの達人”。
育てるリンゴは、青森や長野といった有名な産地のものに引けを取らない一級品なのです。

大山の黒土と気候がリンゴにビンゴ!
落ちたリンゴは日なたぼっこで加工用に再生

冨山さん 神田のリンゴは「わい化栽培」で、木の高さが2〜2.5mと通常の約半分。
栽培作業がやりやすい上、日光が満遍なく当たって実の色づきが良くなり、甘さが増すという特徴があります。一方、病害虫や災害に弱いといったデメリットも幾つか。経験豊富な冨山さんといえど、病気によって葉が全部落ちた年もあるとか。雨が多いと虫がつきやすく、山陰独特の天候にも気を遣うところ。そこで、一石二鳥の得策を実行。木の根元にカヤをかぶせると、保湿力が高まって根に力がつき、病害虫に強くなる上、雑草も生えにくくなるといいます。

病害虫もさることながら、完熟を目前にしたリンゴが台風などの強い風雨によって落ちてしまうのは、果樹栽培にはつきものの被害。
でも、そこでリンゴの一生を終わらせてしまってはもったいない。
落ちたリンゴは木陰にきれいに並べて天日干しし、木の上のリンゴと同じように熟すのをじっと待ってはジャム、ジュースなどの加工用として出荷します。
ここまで頑張って大きくなったリンゴを子どものように大切に思い、1個だって無駄にはしないというわけです。
丁寧に集められたリンゴたちがシートの上で日なたぼっこしているのを見ると、冨山さんの温かい親心を感じて、なんだか微笑ましい気分になります。

施設名そのものがトレーサビリティ。
これぞ自信の表れ、そして安心・安全の証し

冨山さん さまざまな困難が待ち受ける大山の自然ですが、ほかにはない味方でもあり・・・。
清涼な水や空気、火山灰の栄養をたっぷり含んだ黒ぼくは、美味なるリンゴづくりに欠かせません。さらに、山ならではの寒暖差もキーポイントで、「夏場が暑くて、9月に一気に涼しくなると、いいリンゴになるんです」と、冨山さんはこの土地の良さを語ります。

以前は9軒あったリンゴ農家が今では5軒に減ってしまい、神田地区のリンゴ事情は変わりつつあります。
地球温暖化の影響で、収穫前に気温がしっかり下がらず、完熟していても色がつかないといった新たな問題も顔をのぞかせているようです。
しかし、父から跡を継いだ際、農園の名称に自分の名を入れ「冨山哲明りんご園」とした冨山さんには、「ここまでやっている」という自負があり、たとえ周囲の事情が変わろうとも自身のリンゴに対する思いに変化はありません。
多くを語らない冨山さんですが、暑い夏もコツコツと作業を続けてきたことを裏付ける日に焼けた笑顔が、そのことをはっきりと物語っているようです。
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