その2 チェーン豆知識編

今どきチェーンなんて!? と思っているそこのアナタ!冬山では、チェーンを笑うものはチェーンに泣くのです。
冬山への第一歩は、チェーンを知ることから。
ゲレンデに着く前に惨めな思いをしたくない人は必読です。

■タイヤチェーンの種類

雪道の守護神「タイヤチェーン」。
一口にチェーンといってもいろいろなタイプがある。
最新のタイヤチェーンならジャッキアップも不要で装着簡単、乗り心地も快適で走行音も静か。素材は、大きく分けてニッケルなどを利用した金属チェーンとゴムやウレタンを利用した非金属チェーンに分類でき、それがまた一長一短。
ここでは、主なチェーンの特徴をご紹介。あとは、自分の用途と懐具合で決めるしかない。  

金属チェーン

(1)金属チェーン

堅牢、安価。亀甲(亀の甲羅)型やラダー(ハシゴ)型が特徴です。駆動力は高く、制動力も高いが、装着時の走行音はやや気になり、乗り心地の点でも非金属チェーンと比較して劣ります。

(2)非金属チェーン

ゴムや樹脂、それに一部金属を使用したものなどいろいろなタイプがある。
形状はタイヤ全体を包み込むネット型やタイヤ全体をいくつかのブロックに分けて包み込む分離型が特徴。一般的に耐久性があり、装着時の静かさに優れている。振動は低く、横方向にも強いが、グリップ力はイマイチ(特に凍結路面)で高価。
安い非金属チェーンを買うことは自殺行為に等しいと言えよう。



■タイヤチェーン[駆動方式による留意点] 

タイヤチェーンは駆動輪につける。
前輪駆動車なのに後輪にチェーンを巻き、スタックしてはチェーンに毒づいても後の祭り。たすき掛けなどもってのほか!(こういう人がいるんですよ)
4WD車の場合、後輪に巻くのが一般的。4輪とも巻くと最強?
チェーンを買ったら、まずお店で付け方を教えてもらう。
教えてくれない店で買った場合は、自分でまずつけてみる。
そうしておかないと、吹雪の夜道で一人泣くことになる。


駆動方式による留意点

1.後輪駆動(FR)

雪道には最も弱いタイプ。リアタイヤがスリップ(尻振り)するし、その分駆動力も不足する。早めのチェーンしかない。

 2.前輪駆動(FF)

後輪駆動に比べるとスノードライブは随分楽。何より姿勢が比較的安定しているのがよい。
ただし、上り坂では重心が後ろに移動するので、駆動力が不足する。下りではリアタイヤのグリップ不足。やはりチェーンの力を借りる必要がある。

 3.四輪駆動(4WD)

雪道に最も強いのが言わずとしれたこのタイプ。ただし、事故が多いのもこのタイプ(ほんとですよ)。
原因は4WDの特性の理解不足と過信。
確かに普通の上り道ではチェーンの必要など全く感じさせない高い駆動力と制動力を持っている。
しかし、これがアイスバーンとなると他のタイプ以上に始末が悪くなる。
要するに、タイヤが道路をグリップしないことには四駆だろうがなんだろうが全く一緒。おまけに四輪そろってホイールスピン。そうなると、あとはどこへ行くかは道まかせ、運まかせの世界。
だから、 四駆だからといってノーマルタイヤで走るというのは言語道断!四駆の過信は禁物(四駆で何度もひどい目に遭っている本人が言うのだから間違いなし!)。
もうひとつ。最近のRV車は車重が重いものが多くなっている。滑り出したら、重い分あとは慣性の法則とやらに従うだけとなり、もう誰にも止められない!

 4.共通

車はタイヤが地面をこすってその抵抗力で走っていることを常にお忘れなく。
そして、どんなに重装備で細心の注意を払って運転していても、 突然グリップを失うことはよくある話。くれぐれもラリードライバーなどを気取って走らないように!
急停止、急ハンドル、急発進など「急」のつく運転は、いずれも操縦安定性が著しく低下して大変危険な上、タイヤチェーンに損傷が付き寿命が短くなる恐れがあります。
一般に、チェーン装着時の時速は、金属チェーンで30キロまで、非金属チェーンは50キロまでといわれていますのでスピードの出しすぎには注意を。
雪上車でさえスリップするって知ってます?
「スリップは忘れた頃にやってくる」


■ひとりごと

「ボクはJAFではない!」と叫びたくなってしまいます?!

むきぱんだの経験では、自分の運転と車に自信を持っている人ほど危険度が高いと思っています。
こちらの忠告、制止を無視する人は大半がスタックしたり事故ったりします。そしてその度に、押したり、引いたりで半日くらいその場から動けないことすらあります(何しろ次から次へとハマるんです)。

最後には「ボクはJAFではない!」と叫びたくなってしまいます。
当然その間は交通渋滞です。他人のせいで車が進まないのは本当に腹が立つものです。
ボクには「お互いに気をつけましょう」としか言えませんが…。

とにかく、面倒でもチェーンの装着でしょう。これに勝る自衛手段はないと思います。

大山の凍結路面は、立って歩けないほどツルツルになります。
かつて、大山から夜道を4WD車でチェーンをつけずに下っていましたところ、ローギアでアクセルを離しているにもかかわらず、 スピードがどんどん上がっていくのです。
尻の下からは「ズルズル」という変な音が…。
そうです!アイドリング状態でタイヤが空転しているのです。
幸い華麗な(?)ステアリングワークで道路から外れはしませんでしたが、 まぁ、グリップが戻るまで生きた心地がしませんでしたね。

皆さんにはそのようなことがないようにお願いをしたいと、心の底から思っています。