○大山町議会基本条例

平成27年3月24日

条例第21号

目次

前文

第1章 総則(第1条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第2条・第3条)

第3章 町民と議会の関係(第4条・第5条)

第4章 議会と行政の関係(第6条―第9条)

第5章 自由討議の活性化(第10条)

第6章 委員会の活動(第11条)

第7章 議会及び議会事務局の体制整備(第12条―第15条)

第8章 議員の政治倫理、定数及び待遇(第16条・第17条)

第9章 最高規範性と見直し手続(第18条・第19条)

附則

前文

地方議会は、憲法に基づき議会に議決権を与え、町長に執行権を与える二元代表制のもと、町長及び執行機関とは緊張関係を維持しながら政策等の立案・決定・執行・評価について、論点及び争点を明確にし、監視機能及び立法機能を十分に発揮し、地方分権の時代にふさわしい真の地方自治の実現を目指す重要な役割がある。

議会は自治体の自己決定と自己責任が拡大するなかで、議員間の自由闊達な討議により、積極的な政策立案や政策提言を行う議会へと改革していかねばならない。

大山町議会は、町民の代表機関として、大山の豊かな自然と由緒ある歴史・文化を後世に引き継ぐために公平・公正で透明性ある議会づくりに努め、大山町にとって最良の意思を決定することで、町民の福祉向上と大山の恵みを生かした活力ある地域社会の発展を果たす責務がある。

大山町議会は、憲法及び地方自治法を遵守して、町民に開かれ協働する議会、町民に信頼され活力ある議会を実現するため、規範となるこの条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、地方自治の本旨に基づき、町民の代表としての大山町議会(以下「議会」という。)及び議員の活動における基本的事項を定めることにより、町民の負託に的確に応える議会を実現し、もって町民福祉の向上と公正で民主的な町政の発展に寄与することを目的とする。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第2条 議会は次に掲げる原則に基づき活動をしなければならない。

(1) 公平性、透明性を確保し、町民に開かれた信頼される議会を目指す。

(2) 町民を代表する議事機関であることを常に自覚し、町長及び執行機関(以下「町長等」という。)の行政運営を監視及び評価する。

(3) 町民の多様な意見を把握し、政策形成に適切に反映できるよう、積極的な広報・公聴活動等町民参加の機会の拡充に努めるとともに、決定した事項等について、町民に対して説明責任を果たすこと。

(4) 審議や議論が活発に行われるよう、議会運営や調査・研究機能の充実を図り、もって、政策提言、政策立案等を強化する。

(議員の活動原則)

第3条 議員は次に掲げる原則に基づき活動を行うものとする。

(1) 町民の負託を受けた立場を常に自覚し、町勢の発展と町民福祉の向上のために職務を遂行する。

(2) 自らを律し品位を重んじ、公正かつ誠実に活動する。

(3) 議会が合議制の機関であることを認識し、議員相互の責任ある自由な討議を尊重する。

(4) 町政の課題全般について、町民の意見や要望を的確に把握するとともに、自己の資質を高める不断の研さんに努め、町民の代表に相応しい活動を行う。

第3章 町民と議会の関係

(情報の公開)

第4条 議会は、本会議、常任委員会等の会議を原則として公開する。

2 町民に対し積極的にその有する情報を開示・発信し、情報の共有を推進し透明性を高めるとともに、説明責任を十分に果たすよう努める。

3 公開は、傍聴制度及びケーブルテレビ中継、インターネット配信、議会だより、議会報告会等を積極的に活用する。

(町民参加)

第5条 議会は、町民の多様な意見を把握し、反映しうる合議体としての特色を生かし町民参加の推進を図る。

2 請願又は陳情及び意見交換会等で出された提案(以下「町民提案等」という。)を、町民からの政策提言と位置付け、その審議等にあたっては、必要に応じてこれら提案者の意見を聞くよう努める。

3 議会は、町民、町民団体に対し、議会で行われた議案等の審議の経過及び結果について報告するとともに、政策形成に関する意見交換会等を開催する。

4 議会は、地方自治法に規定する公聴会制度及び参考人制度を活用して、町民の意見や専門的識見を町政に反映させるよう努める。

第4章 議会と行政の関係

(町長等との関係)

第6条 議会審議において議会と町長等は、共に町民を代表するものであり、互いの権能を尊重しかつ緊張関係の保持に努めなければならない。

2 議会と町長等との緊張関係を保持するために、政策の立案や執行に関わる審議会等の委員に議会からは就任しないものとする。

3 議会の一般質問は、広く町行政等の論点及び争点を明確にするため、一問一答方式で行う。

4 議会における審議や議論を深めるために、町長等は議員の質疑又は質問に対して、議長の許可を得て反問することができる。ただし、質疑、質問等の論点整理に限るものとする。

(議案審議及び政策提言等)

第7条 議会は、政策立案機能の強化に努め、もって条例の提案、議案の修正、決議等を行うとともに、政策提言を行う。

2 議会は、町長が提案する重要な計画、政策、事業(以下「政策等」という。)について、議会審議における論点及び情報を整理し、その政策等の水準を高めるため、町長に対し、次の各号に掲げる事項の資料の提出及び説明を行うよう求める。

(1) 政策等を必要とする背景

(2) 提案に至るまでの経緯

(3) 町民参加の有無及びその内容

(4) 他の自治体の類似する政策との比較検討

(5) 総合計画における根拠又は位置付け

(6) 政策等の実施に係る財源措置

(7) 将来にわたる政策等の効果及びコスト

3 議会は、重要な政策等の提案を受けた時は、立案及び執行における論点及び争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努める。

(予算及び決算における政策等説明資料の作成)

第8条 議会は、町長が予算案及び決算案を議会に提出し、議会の審議に付すにあたっては、前条の規定に準じて、町長に対し施策別又は事業別の分かりやすい政策等の説明資料を作成するよう求める。

(議決事件の追加)

第9条 地方自治法第96条第2項の規定に基づく議会の議決事件については、町政における重要な計画等の決定に参画する観点から、次のとおり定める。

(1) 基本構想(大山町における総合的かつ計画的な行政の運営を図るために定めるものをいう。)の策定、変更又は廃止。

(2) 基本計画(前号の基本構想を実現するための基本的な計画で、大山町の行政全般にわたり総合的かつ体系的に定めるものをいう。)の策定、変更又は廃止。

(3) 町が他団体と結ぶ提携又は協定のうち特に重要なもの。

第5章 自由討議の活性化

(自由討議の保障と合意形成)

第10条 議会は言論の府であることを十分に認識し、議員相互間の責任ある自由な討議を中心とした運営を行う。

2 議会は、常任委員会及び特別委員会等において、議案及び町民提案等に関して審議し結論を出す場合、議員相互間において自由討議を尽くして合意形成に努める。

第6章 委員会の活動

(委員会の適切な運営)

第11条 議会は、社会・経済情勢の変化による新たな行政課題等に迅速かつ的確に対応するため、委員会を設置する。委員会は専門性と特性を生かして適切な運営を図る。

2 委員会は、議員相互間の活発な討議を通じて、政策、条例、意見書等の政策立案及び政策提案を積極的に行うよう努める。

3 委員会は、町民と自由に意見交換を行う懇談会等を積極的に開くよう努める。

第7章 議会及び議会事務局の体制整備

(議員研修の充実強化)

第12条 議会は、議員の政策形成及び立案能力、そして行政監視能力の向上を図るため、議員研修の充実強化を図る。

(議会事務局の体制整備)

第13条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上を図るため、議会事務局の調査機能及び法務機能の充実強化を図るよう努める。

(議会図書室の充実)

第14条 議会は、議員の調査・研究に資するため議会図書室の充実を図る。更に、これを議員のみならず、町民、町職員の利用にも供する。

(議会広報の充実)

第15条 議会は、町政に係る情報を議会の視点から、町民に対して積極的に公表するとともに、周知するよう努める。

2 議会は、議案に対する議員の態度を公表するなど、議会広報の充実を図る。

第8章 議員の政治倫理、定数及び待遇

(議員の政治倫理)

第16条 議員は、町民の代表者としてその倫理性を常に自覚するとともに、別に定める大山町議会議員政治倫理条例を遵守しなければならない。

(議員定数及び議員報酬)

第17条 議員定数及び議員報酬は、それぞれ別に条例で定める。

2 議員定数又は議員報酬の改正に当たっては、行財政改革の視点だけでなく、町政の現状と課題及び将来展望、町民の多様な意見を考慮しなければならない。

3 議員定数又は議員報酬に関する条例改正案は、地方自治法第74条第1項の規定による町民の直接請求による場合及び町長が提出する場合を除き、明確な改正理由を付して、委員会又は議員が提出する。

第9章 最高規範性と見直し手続

(最高規範性)

第18条 この条例は、議会における最高規範であり、遵守しなければならない。

2 議会は、議員にこの条例の理念を浸透させるため、一般選挙を経た任期開始後速やかに、この条例に関する研修を行わなければならない。

(見直し手続)

第19条 議会は必要に応じて、この条例の目的が達成されているかどうかを検証する。

2 議会は、前項の規定による検証の結果、制度の改善が必要な場合は、この条例の改正を含めて適切な措置を講ずる。

この条例は、平成27年4月1日から施行する。

大山町議会基本条例

平成27年3月24日 条例第21号

(平成27年4月1日施行)